2026/02/21
お知らせ

空室と家賃下落を同時に防ぐ対策とは?賃貸オーナーが知るべき悪循環の断ち切り方

空室と家賃下落を同時に防ぐ対策とは?賃貸オーナーが知るべき悪循環の断ち切り方

名古屋市や西三河エリアで賃貸経営をしていると、「空室が増えてきた」「家賃を下げないと決まらない」という状況が同時に起きることがあります。空室と家賃の下落対策を検討するオーナーが増えているのも、こうした背景があるためです。以前はどちらか一方の問題として捉えられることもありましたが、現在はこの2つが“同時進行”するケースが増えています。
これは偶然ではありません。市場構造の変化、入居者ニーズの進化、物件の老朽化、そして競争環境の激化が重なり合うことで起こる“連動現象”です。例えば、築20年以上で設備更新が進んでいない物件では、周辺の築浅物件と比較され、反響数が大きく落ち込むケースも珍しくありません。さらに近年は、リーシング戦略の巧拙や管理会社の実行力の差によって、同じ築年数・同じ立地でも入居率に大きな差が生まれるようになっています。まずはその仕組みを理解することが、正しい対策への第一歩になります。

1. 供給過多と競争激化

近年、名古屋市内や西三河エリアでは新築アパート・マンションの供給が継続的に行われています。建築費は上昇しているものの、相続対策や土地活用ニーズ、節税目的などから新築物件は一定数供給され続けています。
その結果、入居者にとっては「より良い物件を選べる環境」が整いました。一方でオーナー側は、「選ばれる努力をしなければならない」時代に入っています。「築浅・設備充実」物件が増えると、築古物件は常に比較対象にさらされ、わずかな印象差が成約率の差に直結します。
ここで重要なのが“募集窓口の量と質”です。近年の高入居率物件に共通するのは、単にポータル掲載を行うだけでなく、自社ホームページ、主要ポータル、仲介会社ネットワーク、店舗訪問などを組み合わせ、反響の母数を最大化している点です。募集導線の設計次第で、同一条件の物件でも反響数に大きな差が生まれます。
結果として、特別な強みがない物件、あるいは募集戦略が弱い物件から順番に空室が発生していきます。

2. 入居者ニーズの高度化

インターネット無料、宅配ボックス、防犯カメラ、オートロック、独立洗面台、室内物干しなど、以前は“あれば良い設備”だったものが、今では“あって当然の設備”として認識されつつあります。
さらに、テレワークの普及により通信環境の安定性やワークスペースの確保も重視されるようになりました。入居者はポータルサイトで複数物件を簡単に比較できるため、設備や内装の差は瞬時に判断されます。
ここで見落とされがちなのが、「小規模改善の積み重ね」が競争力を大きく左右するという点です。大規模リノベーションでなくても、アクセントクロスの採用、写真映えする内装調整、費用対効果の高い部分改修などを戦略的に行うことで、反響率は大きく改善します。逆に、原状回復のみで募集を続けている物件は、徐々に比較競争で不利になっていきます。
設備や内装が時代に合っていない物件は、家賃が相場通りであっても「わざわざ選ぶ理由がない物件」と見なされ、反響減少→内見減少→空室長期化という流れに入りやすくなります。

3. 空室長期化が家賃下落を招く

空室が長引くと、オーナー心理として「少しでも早く埋めたい」という思いが強くなります。固定費やローン返済がある場合は、特に焦りが生まれやすくなります。
そこで家賃を下げる判断をすると、以下の流れが生まれます。
※多くのオーナーがこの段階で判断を誤ります。
1.家賃を下げて募集
2.周辺相場が引き下げられる
3.既存入居者から減額交渉
4.収益が減少
5.修繕投資ができなくなる
6.物件競争力がさらに低下
一時的に入居が決まったとしても、長期的に見ると収益体質が弱くなります。十分な修繕や改善ができなくなると、物件の印象や設備水準はさらに見劣りし、再び空室が発生します。この悪循環に入ると、「空室」と「家賃下落」が同時に進行し続ける状態になります。

【図表①】空室・家賃下落の悪循環モデル
▼ 悪循環モデル(ネガティブループ)

■ 色分けの意味
・🟥 赤:経営ダメージが大きい危険領域
・🟧 オレンジ:空室・相場への直接的影響領域
・🟨 黄色:意思決定ポイント(ここで方向性が分かれる)
・🟫 茶色:将来価値を左右する重要分岐点
この図のポイントは、🟨「家賃値下げ」の段階が“分岐点”になっていることです。ここで安易に値下げを選択すると、長期的な収益体質が弱くなります。重要なのは、🟧空室が発生した段階で、価格ではなく「戦略」で手を打つことです。

【図表②】改善モデル(好循環バージョン)対比図
悪循環に対して、戦略的に介入すると次のような“好循環”を作ることができます。

■ 色分けの意味(好循環)
・🟩 緑:収益安定・ポジティブ領域
・🟦 青:実行フェーズ(行動)
・▢:戦略設計フェーズ

悪循環 好循環
空室後に値下げ 空室前に戦略見直し
受け身対応 能動的改善
投資停止 継続的改善投資
価格競争 価値競争

空室と家賃下落は“自然現象”ではありません。経営判断の積み重ねによって、どちらの循環に入るかが決まります。だからこそ重要なのは、「値下げ前に戦略を考えること」です。

4. 実務で差がつくリーシング体制の重要性

近年、入居率の高い管理会社に共通しているのは、“空室が出てから動く”のではなく、“解約予告の時点から募集を開始する”運用です。過去成約データや周辺市況をもとに即時募集条件を設計し、退去後の原状回復も事前打ち合わせによって短期完了させることで、空室ロスを最小化できます。
特に重要なのが、原状回復=単なる修繕ではないという視点です。クロス洗浄の活用、アクセントクロス提案、費用対効果重視の部分改修など、「ムダな工事をしない」改善設計が収益性を大きく左右します。募集戦略とリフォーム提案が連動しているかどうかは、今後の管理会社選定における重要な判断基準になるでしょう。
また、仲介部門との連携力も無視できません。高い成約率を維持している組織では、的確なヒアリング、質の高い接客、内見フォロー、入居サポートまで一貫した体制が整っています。これによりマッチング精度が高まり、無駄な空室期間を大幅に削減できます。

5. 管理戸数の蓄積が生む地域対応力

西三河エリアでは、管理戸数の蓄積そのものが競争優位性になりつつあります。管理実績が多い会社ほど、エリア別の反響傾向、賃料許容ライン、成約までの平均日数などのデータを豊富に保有しており、より精度の高い募集条件を設計できます。
また、既存オーナーからの紹介やリピート比率が高い管理会社は、運用満足度が高い傾向にあります。地域密着でデータと実務ノウハウを積み上げているかどうかは、長期的な入居率維持に直結する重要なポイントです。

6. 入居者満足度が退去率を左右する

空室対策というと募集面に目が向きがちですが、実は“退去を減らす”ことも極めて重要です。水漏れや鍵トラブルなどの緊急対応を24時間365日受け付ける体制が整っている物件は、入居者満足度が高く、結果として長期入居につながりやすくなります。
入居期間が1年延びるだけでも、原状回復費・募集費・空室損失を考えると収益インパクトは非常に大きくなります。つまり、リーシング力と入居者対応力は、両輪で設計する必要があるのです。

7. 出口戦略まで見据えた賃貸経営へ

今後の賃貸経営では、「今の空室を埋める」だけでなく、建替・売却・相続承継まで見据えた長期設計が重要になります。建築、賃貸管理、売却、相続対策まで一体で考えることで、資産価値の最大化とリスク低減の両立が可能になります。
また、オーナーの方針に応じて、一般管理、滞納保証付き管理、空室保証付き管理、一棟サブリース、部屋単位サブリースなど、管理スキームを柔軟に選択できる体制も重要です。「安定重視」なのか「収益最大化重視」なのかによって、最適解は大きく変わります。

まとめ:悪循環に入る前の“初動”がすべて

空室と家賃下落の同時進行は、放置すればするほど修復に時間とコストがかかります。しかし、早期に市場分析を行い、適切な募集設計と小規模改善を実行できれば、多くの物件は好循環へ転換可能です。
重要なのは、
・値下げ前に打てる手を把握すること
・募集・改修・仲介連携を一体で設計すること
・入居者満足まで含めて運営を最適化すること
です。賃貸市場の二極化が進むこれからの時代、空室対策は“作業”ではなく“経営判断”です。自分の物件が今どの循環にいるのかを客観的に見極め、悪循環に入る前の初動対応を徹底することが、安定経営への最短ルートになります。

そのお困りごと、ハタスに相談してみませんか?
電話で相談する 0566-23-5749

休業日(水曜・日曜・祝日)以外 [9:00~18:00]