不動産を相続した場合の手続きと名義変更の流れ【土地・家】
不動産を相続した場合の手続きと名義変更の流れ【土地・家】
親などから不動産を相続した場合には、相続人の確定、遺産分割協議、不動産の名義変更(相続登記)、税務申告など、複数の法的手続きが必要です。
特に不動産は資産価値が高いため、正確かつ期限内の対応が求められます。
特に土地や家といった不動産を
手続きの中でも重要なのが、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する「相続登記」です。
2024年4月からはこの手続きが義務化されたため、期限内に対応しなければなりません。
- 2024年4月から義務化!不動産相続で必須の「相続登記」とは?
- 相続登記をしないとどうなる?放置する3つのリスク
- リスク1:10万円以下の過料が科される可能性がある
- リスク2:不動産の売却や担保設定ができない
- リスク3:次の相続が発生すると権利関係が複雑化する
- 【6ステップ】不動産相続の全体的な手続きの流れ
- ステップ1:遺言書の有無を最初に確認する
- ステップ2:戸籍謄本を取得して相続人を確定させる
- ステップ3:相続財産を調査して評価額を算出する
- ステップ4:遺産分割協議で不動産の分け方を決める
- ステップ5:相続登記(名義変更)を法務局に申請する
- ステップ6:相続税の申告と納付を行う(必要な場合)
- 相続した不動産を分ける4つの方法
- そのままの形で1人が相続する【現物分割】
- 1人が相続し他の相続人にお金を支払う【代償分割】
- 売却して現金で分ける【換価分割】
- 複数人で共同所有する【共有名義】
- 【ケース別】不動産の相続登記(名義変更)に必要な書類一覧
- 遺言書に基づいて相続する場合の必要書類
- 遺産分割協議で相続する場合の必要書類
- 法定相続分どおりに相続する場合の必要書類
- 不動産相続でかかる費用の内訳と相場
- 手続きに必ずかかる登録免許税などの実費
- 司法書士に依頼する場合の報酬相場
- 相続した不動産はどうする?3つの活用方法
- 売却して現金化する
- そのまま住む、または賃貸に出す
- 国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)
- 不動産相続の手続きは専門家に相談すべき?判断ポイントを解説
- 司法書士に手続きを依頼するメリット
- 専門家への相談がおすすめなケースとは
- まとめ
2024年4月から義務化!不動産相続で必須の「相続登記」とは?
不動産登記法の改正(令和3年法律第24号)により、2024年4月1日以降、相続により不動産を取得した人は、
相続の開始を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務が課されました(不動産登記法第76条の2)。
正当な理由なく登記を怠った場合、10万円以下の過料が科されることがあります(同法第164条の2)。
なお、施行日前に発生した相続についても、未登記の場合は施行日から3年以内に登記を行う必要があります(附則第5条)
義務化後は、相続登記を怠ると過料の対象となる場合があります。
法務局が確認・指導を行い、正当な理由がないと判断された場合、
行政上の制裁として10万円以下の過料が科される可能性があります。
(刑罰ではなく行政上の措置であり、前科は付きません。)
相続登記をしないとどうなる?放置する3つのリスク
相続登記をせずに不動産を放置すると、法的な義務違反による過料のほか、不動産の処分ができない、権利関係が複雑化するといった複数の問題が生じる可能性があります。
過去に相続した不動産で、まだ名義変更が済んでいないものも義務化の対象となるため注意が必要です。
これらのリスクは、時間の経過とともに深刻化する傾向があり、将来的に親族間でトラブルに発展したり、経済的な不利益を被ったりする原因となり得ます。
リスク1:10万円以下の過料が科される可能性がある
2024年4月1日に施行された法律により、正当な理由なく相続登記の申請を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
この義務は、法律の施行日より前に開始した相続にも適用されます。
ただし、過去の相続については、施行日から3年間の猶予期間が設けられています。
相続の事実を知りながら手続きを放置していると、ある日突然、法務局からの催告を受け、最終的には過料の通知が届く事態も考えられます。
金銭的な負担を避けるためにも、速やかな手続きが不可欠です。
リスク2:不動産の売却や担保設定ができない
相続登記が未了の不動産は、登記簿上の所有者が被相続人のままであるため、相続人が売却や担保設定などの法的処分を行うことができません。
理由は、不動産の名義が亡くなった方のままである以上、第三者に対して自分が所有者であることを証明できないからです。
例えば、相続後5年が経過してから不動産を売りたいと考えても、名義変更が終わっていなければ売買契約を進められません。
また、二次相続が発生すると、相続人が増加し、手続きが複雑化するリスクがあります。
リスク3:次の相続が発生すると権利関係が複雑化する
不動産を相続したら、速やかに登記手続きを済ませることが重要です。
登記を放置している間に相続人の一部が死亡すると、次の相続(二次相続)が発生し、権利関係がさらに複雑化します。
その結果、相続人全員の合意形成が困難となり、家庭裁判所での調停に発展することもあります。
【6ステップ】不動産相続の全体的な手続きの流れ
不動産相続の手続きは、被相続人が亡くなった時点から始まります。
まずは遺言書を探すことから着手し、相続人の確定、財産調査、遺産分割協議を経て、最終的に名義変更と税金の申告を行います。
特に相続人の調査では、被相続人の生前の戸籍をすべて集める必要があり、時間と手間がかかることも少なくありません。
全体の流れを把握し、計画的に進めることが、円滑な相続手続きの鍵となります。
ステップ1:遺言書の有無を最初に確認する
相続が開始したら、まず被相続人が遺言書を残していないかを確認します。
遺言書がある場合、原則としてその内容に従って遺産が分割されるため、その後の手続きが大きく変わるからです。
遺言書は自宅の金庫や仏壇、金融機関の貸金庫などに保管されていることが多いです。
公正証書遺言であれば、公証役場に原本が保管されています。
自筆証書遺言を法務局の保管制度を利用せずに自宅などで発見した場合は、家庭裁判所で「検認」という手続きを経る必要があります。
被相続人の死亡後、妻や子どもが遺言書を開封する前に、この手続きの要否を確認することが重要です。
ステップ2:戸籍謄本を取得して相続人を確定させる
遺言書がない場合や、遺言書で指定されていない遺産がある場合は、法律で定められた法定相続人が遺産を相続します。
誰が相続人になるのかを法的に確定させるため、被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本を含む)をすべて収集します。
これにより、現在の家族構成からは分からない相続人が判明することもあります。
集めた戸籍謄本は、不動産の名義変更手続きのほか、預貯金や有価証券など他の遺産の相続手続きでも必要となるため、一通り取得しておくと後の手続きがスムーズに進みます。
預金の解約などにも利用します。
ステップ3:相続財産を調査して評価額を算出する
相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行う前に、被相続人がどのような財産をどれだけ所有していたかを正確に把握する必要があります。
不動産をはじめ、預貯金、株式などのプラスの財産だけでなく、借金やローンといったマイナスの財産も調査の対象です。
不動産の評価額は、主に固定資産税評価額や路線価を用いて算出しますが、これが後の遺産分割や相続税計算の基礎となります。
財産の全体像が不明確なまま協議を進めると、後から新たな財産が見つかった際に、協議のやり直しや相続人間のトラブル、最悪の場合は裁判に発展する可能性もあります。
ステップ4:遺産分割協議で不動産の分け方を決める
相続財産の調査が完了したら、相続人全員で遺産の分け方を話し合う遺産分割協議を行います。
特に不動産は現金のように簡単に分割できないため、誰が取得するのか、あるいは売却して現金で分けるのかなどを慎重に決定しなければなりません。
全員の合意が得られたら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめ、相続人全員が署名と実印の押印をします。
この書類は、後の相続登記や相続税の申告、預貯金の名義変更など、さまざまな手続きで必要となる重要なものです。
税金面での有利不利も考慮しながら、最適な分割方法を検討します。
ステップ5:相続登記(名義変更)を法務局に申請する
遺産分割協議がまとまるか、遺言書の内容に従って不動産を取得する人が決まったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ相続登記を申請します。
不動産を相続する場合、この手続きによって正式に所有権が移転し、第三者に対して権利を主張できるようになります。
相続登記の申請は、登記申請書・戸籍謄本(被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本)・遺産分割協議書・固定資産評価証明書等を添付し、管轄法務局に提出またはオンラインで行います。
申請後に不備があると補正が必要となるため、事前に司法書士へ相談することが望まれます。
ステップ6:相続税の申告と納付を行う(必要な場合)
相続税の申告期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内と定められています(相続税法第27条)。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出します。
不動産をそのまま相続した場合、納税資金として現金を用意する必要が出てきます。
申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合でも、一度法定相続分で仮の申告と納税を行い、後に修正申告や更正の請求をする必要があります。
期限を過ぎると延滞税などが課されるため、計画的な準備が不可欠です。
相続した不動産を分ける4つの方法
相続財産に不動産が含まれる場合、預貯金のように単純に分割することが難しいため、分け方をめぐってトラブルになりがちです。
法律では、相続人が複数いる場合に不動産を公平に分けるための方法がいくつか用意されています。
代表的なものとして、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割(共有名義)の4つがあります。
それぞれの方法にメリットとデメリットがあり、相続人の状況や不動産の特性に応じて最適な分割方法を選択することが、円満な遺産分割協議の鍵となります。
法定相続分に応じた持分での分割も選択肢の一つです。
そのままの形で1人が相続する【現物分割】
現物分割は、遺産をそのままの形で各相続人が取得する方法です。
例えば、長男が土地と建物をすべて相続し、長女が現金や預貯金を相続するといった形です。
不動産を売却せずに済み、特定の相続人がその不動産に住み続けたい場合などに適しています。
ただし、相続財産が不動産のみの場合や、不動産の価値が他の財産に比べて著しく高い場合、この方法では相続人間の公平性を保つのが難しくなります。
不動産を相続しない相続人との間で不公平感が生じ、トラブルの原因となる可能性もあるため、他の財産とのバランスを十分に考慮する必要があります。
1人が相続し他の相続人にお金を支払う【代償分割】
代償分割は、相続人の1人が不動産など分割しにくい財産を現物で取得する代わりに、他の相続人に対して法定相続分に見合う現金(代償金)を支払う方法です。
この方法のメリットは、不動産を売却することなく特定の相続人が所有権を確保できる点にあります。
例えば、事業用の土地や自宅などを特定の相続人が引き継ぎたい場合に有効です。
ただし、不動産を取得する相続人に、他の相続人へ支払うための十分な資力があることが前提となります。
代償金の額をいくらに設定するかで揉める可能性もあるため、不動産の評価額を客観的に算定することが重要です。
売却して現金で分ける【換価分割】
換価分割は、相続した不動産を売却して現金に換え、その現金を相続人同士で分割する方法です。
物理的に分割できない不動産を、各相続人の相続分に応じて公平に分けられる点が最大の利点です。
相続人の中にその不動産を利用する予定の人がいない場合や、固定資産税などの維持費を誰も負担したくない場合に適しています。
ただし、不動産の売却には時間がかかることがあり、希望する価格で売れるとは限りません。
また、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合には、譲渡所得税や住民税が課税されることも考慮しておく必要があります。
複数人で共同所有する【共有名義】
共有名義(共有分割)は、一つの不動産を複数の相続人が法定相続分などの持分割合に応じて共同で所有する方法です。
例えば、2人の子どもがそれぞれ2分の1ずつの持分で実家を相続するケースがこれにあたります。
共有名義は一見公平な方法に見えますが、
不動産の売却や建替え、リフォーム等を行う際には共有者全員の同意が必要になるほか、
共有者の死亡や相続を重ねると、権利関係が複雑化し、売却困難に陥るおそれがあります。
将来の管理負担を考慮した分割方法の検討が望まれます。
【ケース別】不動産の相続登記(名義変更)に必要な書類一覧
不動産の相続登記を申請する際には、法務局へ多くの書類を提出する必要があります。
必要となる書類は、「遺言書に基づいて相続する」「遺産分割協議で相続する」「法律で定められた相続分(法定相続分)で相続する」といった相続のケースによって異なります。
どのケースに該当するかを確認し、漏れなく書類を準備することが、手続きをスムーズに進めるための第一歩となります。
遺言書に基づいて相続する場合の必要書類
遺言書に基づいて相続登記を行う場合、その遺言書が法的な効力を持つものであることが前提となります。
一般的に必要となる書類は、遺言書(公正証書遺言以外の場合は家庭裁判所の検認済証明書付き)、被相続人の死亡の事実が記載された戸籍謄本(または除籍謄本)、被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)、不動産を相続する人の戸籍謄本と住民票、そして不動産の固定資産評価証明書などです。
遺言執行者が指定されている場合は、その資格を証明する書類も求められます。
これらの書類を登記申請書に添付して法務局に提出します。
遺産分割協議で相続する場合の必要書類
遺産分割協議の結果に基づいて相続登記を行うケースは非常に一般的です。
この場合、相続人全員の合意があったことを証明する書類が重要になります。
具体的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本一式、相続人全員の現在の戸籍謄本、相続人全員の印鑑証明書、遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されたもの)、不動産を相続する人の住民票、不動産の固定資産評価証明書などが必要です。
相続関係が複雑な場合、収集すべき戸籍謄本の数が非常に多くなることもあります。
法定相続分どおりに相続する場合の必要書類
遺言書がなく、遺産分割協議も行わず、民法で定められた法定相続分どおりに不動産を共有名義で登記することも可能です。
この場合に必要となる書類は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本一式と、相続人全員の現在の戸籍謄本です。
加えて、不動産を共有で相続する人全員の住民票と、不動産の固定資産評価証明書も求められます。
遺産分割協議書や印鑑証明書は不要なため、他のケースに比べて準備する書類は少なくなりますが、不動産が共有名義になることのリスクは十分に理解しておく必要があります。
不動産相続でかかる費用の内訳と相場
不動産を相続する際には、いくつかの費用が発生します。
これらの費用は、手続き自体に必ずかかる「実費」と、手続きを司法書士などの専門家に依頼した場合にかかる「専門家報酬」の二つに大別できます。
不動産の価値や依頼する専門家、手続きの難易度によって総額は変動するため、事前にどのくらいの費用がかかるのかを把握しておくことが大切です。
手続きに必ずかかる登録免許税などの実費
不動産の相続登記を申請する際には、登録免許税という税金を国に納付する必要があります。
この税額は、不動産の固定資産税評価額に0.4%の税率を掛けて算出されます(登録免許税法第9条第1項第1号)。
例えば、評価額が2,000万円の土地であれば、8万円の登録免許税がかかります。
そのほか、手続きに必要な戸籍謄本や住民票、印鑑証明書などを市区町村役場で取得するための発行手数料も実費として発生します。
これらの書類は1通数百円程度ですが、相続人の数や本籍地の移動回数によっては、合計で数千円から数万円になることもあります。
司法書士に依頼する場合の報酬相場
相続登記は必要書類が多く手続きが複雑なため、司法書士に代行を依頼するのが一般的です。
司法書士に依頼した場合の報酬は、事務所や案件の難易度によって異なりますが、一般的な不動産の相続登記であれば、おおむね7万円から15万円程度が相場とされています。
相続人の数が多い、不動産の数が複数ある、数代にわたって相続登記がされていなかったなど、事案が複雑になるほど報酬は高くなる傾向にあります。
報酬には、戸籍謄本の収集代行や遺産分割協議書の作成などが含まれている場合と、別途オプション料金となっている場合があるため、依頼前に見積もりを確認することが重要です。
相続した不動産はどうする?3つの活用方法
無事に相続登記を終えた後、次に考えなければならないのが、その不動産を今後どうするかという問題です。
相続した不動産をめぐる選択肢は、大きく分けて「売却する」「利用する(居住・賃貸)」「国に引き取ってもらう」の3つが挙げられます。
どの方法が最適かは、不動産の立地や状態、相続人のライフプランや経済状況によって異なります。
それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、慎重に判断することが求められます。
売却して現金化する
相続した不動産を利用する予定がない場合、売却して現金化するのは有力な選択肢です。
売却によって得た現金を他の相続人と公平に分割できるため、遺産分割を円満に進めやすいという利点があります。
また、不動産を所有し続けることで発生する固定資産税や維持管理費の負担から解放されます。
ただし、不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して譲渡所得税がかかる点には注意が必要です。
相続した不動産を一定期間内に売却した場合に利用できる税金の特例もあるため、不動産会社や税理士に相談しながら進めると良いでしょう。
そのまま住む、または賃貸に出す
相続した家が実家である場合や、立地が良い場所にある場合は、相続人の誰かがそのまま住むという選択肢があります。
住み慣れた家で生活を続けられる、あるいは新たに住居を購入する必要がなくなるというメリットがあります。
また、自分で住まない場合でも、リフォームなどを行って賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得るという活用法も考えられます。
ただし、不動産を所有し続ける限り、固定資産税の支払いや建物の修繕・管理といった責任と費用が継続的に発生します。
安定した賃貸需要が見込めるかどうかも、事前に調査が必要です。
国に引き取ってもらう(相続土地国庫帰属制度)
管理が難しい土地については、2023年4月施行の相続土地国庫帰属制度(相続土地国庫帰属法)を利用し、一定の要件(建物がない・境界確定・担保なし 等)を満たせば国に引き渡すことが可能です。
審査料(1筆あたり1万4千円)と負担金が必要で、土地の状態によっては不承認となる場合もあります。
詳細は法務省の公式ガイドを参照してください。
不動産相続の手続きは専門家に相談すべき?判断ポイントを解説
不動産の相続手続きは、戸籍の収集から法務局への申請まで、専門的な知識と多くの時間、労力を要します。
自分自身で全てのステップを進めることも不可能ではありませんが、手続きの複雑さや相続人間の関係性によっては、専門家の力を借りた方がスムーズかつ確実に進められるケースも少なくありません。
特に、相続登記を専門とする司法書士への相談は、有効な選択肢の一つです。
司法書士に手続きを依頼するメリット
相続登記を司法書士に依頼する最大のメリットは、煩雑で専門的な手続きをすべて任せられる点にあります。
相続人の確定に必要な戸籍謄本の収集から、遺産分割協議書の作成、法務局への登記申請まで一括で代行してもらえます。
これにより、平日に役所や法務局へ何度も足を運ぶ手間が省け、時間的・精神的な負担が大幅に軽減されます。
また、法律の専門家として、書類の不備なく正確に手続きを進めてくれるため、申請が却下されるといったリスクを回避できます。
法的な観点からアドバイスを受けられるのも大きな利点です。
専門家への相談がおすすめなケースとは
特に専門家への相談が推奨されるのは、相続関係が複雑な場合です。
例えば、相続人の数が多い、相続人の中に行方不明者や連絡が取りにくい人がいる、被相続人に離婚歴があり前妻との間に子がいるといったケースでは、相続人の調査だけで多大な労力を要します。
また、遺産分割協議で相続人間の意見が対立している場合や、不動産が遠隔地にある場合、仕事が忙しく手続きの時間を確保できない場合も、専門家に依頼するメリットは大きいでしょう。
相続登記の義務化に伴い、手続きを放置している自覚がある場合も、速やかに相談することが賢明です。
まとめ
不動産を相続した場合、遺言書の確認から相続人・財産の調査、遺産分割協議、そして名義変更である相続登記まで、多くの手続きを順に進めていく必要があります。
特に、2024年4月から義務化された相続登記は、相続の開始を知った日から3年以内という期限が設けられており、正当な理由なく怠ると過料の対象となります。
また、手続きを放置すると、不動産の売却ができない、権利関係が複雑化するといった不利益も生じます。
相続手続きは専門的な知識を要する場面も多いため、自身での対応が難しいと感じた場合は、司法書士などの専門家へ早めに相談することを検討します。
- そのお困りごと、ハタスに相談してみませんか?
- 電話で相談する 0566-23-5749
休業日(水曜・日曜・祝日)以外 [9:00~18:00]
