2026/04/26
お役立ちコラム

後編|なぜ木造軸組工法なのか?構造比較と安全性から見るJouer(ジュール)の合理性

後編|なぜ木造軸組工法なのか?構造比較と安全性から見るJouer(ジュール)の合理性

前編では、ハタスのアパート商品「Jouer(ジュール)」が掲げる設計思想「調律設計」と、それを実現する構造として木造軸組工法が採用されている理由について解説しました。
後編ではさらに踏み込み、建築構造の観点から木造軸組工法の合理性を詳しく見ていきます。
特に、アパート建築で比較されることの多い
・枠組壁工法(ツーバイフォー)
・木造軸組工法
の違いを整理しながら、空間の自由度・構造安全性・建築合理性の3つの視点からJouerの設計思想を解説します。
土地活用やアパート経営を検討しているオーナーにとって、建築構造は長期的な資産価値にも大きく影響します。本コラムを通して、木造軸組工法の本質的なメリットを理解していただければと思います。

構造形式の比較|木造軸組工法とツーバイフォーの違い

アパート建築における木造住宅の構造方式には、主に木造軸組工法と枠組壁工法(ツーバイフォー工法)があります。どちらも木造建築として広く採用されていますが、構造の考え方は大きく異なります。ここでは両者の違いを整理しながら、Jouerが軸組工法を採用している理由を解説します。

枠組壁工法(ツーバイフォー)の構造特徴

枠組壁工法は、北米で発展した住宅建築工法であり、日本では「ツーバイフォー工法」として知られています。
この工法の特徴は、床・壁・屋根を面として構成する「面構造」である点です。壁パネルや床パネルが建物の強度を担うため、構造体としては安定性の高い建築方式とされています。
一方で、構造耐力の多くを壁面で確保するため、壁を取り除くことが難しい場合があります。そのため、間取りの変更や大きな開口部を設ける際には、構造上の制約が発生することがあります。
一般的な住宅では問題になりにくいものの、敷地条件に合わせた柔軟な設計が求められるアパート建築では、この制約が設計の自由度に影響する場合があります。

木造軸組工法の構造特徴

木造軸組工法は、日本の伝統的な建築技術を基盤とする構造方式であり、柱と梁による骨組みで建物を支えます。
この構造は、フレーム(軸組)によって荷重を支える構造であることが大きな特徴です。柱と梁が建物の骨格となるため、壁の配置を比較的自由に調整することができます。
必要な耐力壁を適切な位置に配置することで、構造安全性を確保しながら空間設計の自由度を維持できます。
その結果、開口部を広く取ることや、敷地条件に合わせた柔軟な間取り設計が可能になります。
このような特性は、調律設計のように敷地条件に応じて空間を最適化する設計思想と非常に相性が良いと言えます。

木造軸組工法

アパート設計における空間自由度の違い

アパート建築では、敷地条件によって建物の形状や配置が大きく変わります。
例えば、
・変形地
・旗竿地
・狭小地
・日照条件の厳しい土地
などでは、建物の配置や間取りを細かく調整する必要があります。
木造軸組工法はフレーム構造のため、こうした条件に柔軟に対応することが可能です。
一方で枠組壁工法では、耐力壁として機能する壁の配置が構造に大きく影響するため、大開口や特殊な間取り設計では制約が生じることがあります。
Jouerでは敷地ごとの条件を最適化する「調律設計」を採用しているため、空間設計の自由度を確保できる木造軸組工法が合理的な選択となっています。

自由度と安全性の両立|構造計算による性能担保

設計自由度が高い構造の場合、「安全性は大丈夫なのか」という疑問を持つ方も多いかもしれません。しかし、Jouerでは自由度の高い設計を実現しながらも、構造安全性を数値によって確認しています。ここでは、その仕組みを解説します。

共同住宅全棟で構造計算を実施

一般的な木造住宅では、仕様規定によって設計されるケースもあります。しかし、アパートなどの共同住宅では、より高い安全性が求められます。
Jouerでは、すべての共同住宅において構造計算を実施しています。
構造計算とは、建物に作用する荷重を数値化し、各構造部材が安全に耐えられるかどうかを確認する設計プロセスです。
この計算を行うことで、建物全体の安全性を客観的に確認することができます。

許容応力度設計による安全性確認

Jouerでは構造設計において許容応力度設計を採用しています。
許容応力度設計とは、柱や梁などの構造部材に発生する力(応力度)を計算し、それぞれの部材が安全に耐えられる範囲内に収まっているかを確認する設計方法です。
この方法では、
・地震
・風荷重
・積雪荷重
などの外力を考慮して構造計算を行います。
その結果、建物の強度や耐震性能を数値によって確認することが可能になります。

許容応力度設計

数値に基づく耐震性能の確保

日本は世界でも有数の地震大国であり、住宅建築では耐震性能が重要なポイントになります。
木造軸組工法は、建物自体が比較的軽量であるため、地震時に建物へ作用する力を小さく抑えることができます。
さらに、許容応力度設計によって構造部材ごとの強度を確認することで、必要な耐震性能を確実に確保することができます。
つまりJouerでは、設計自由度の高さと構造安全性を数値設計によって両立しています。

木造アパートの合理性|物理・機能・経済の視点

木造アパートは、近年の土地活用において注目される建築方式です。その理由は、単に建築コストが低いからではありません。ここでは、木造建築の合理性を「物理的」「機能的」「経済的」という3つの視点から整理します。

物理的メリット|軽くて地震に強い

木造建築は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比較して建物重量が軽いという特徴があります。
建物が軽いということは、地震時に発生する慣性力が小さくなるため、建物にかかる負荷を抑えることができます。
また、建物重量が軽いことは地盤への負担も小さくなるため、基礎工事や地盤改良にかかるコストを抑えられる可能性があります。
このように、木造建築は物理的な観点から見ても合理性の高い構造と言えます。

機能的メリット|断熱性能が高い

木材は、熱伝導率が低い素材です。
そのため、木造住宅は断熱性能を確保しやすく、室内温度を安定させやすいという特徴があります。
賃貸住宅において室内環境の快適性は重要なポイントです。
冬は暖かく、夏は熱を伝えにくい構造は、居住者の満足度向上にもつながります。
Jouerでは、このような木造住宅の特性を活かしながら、快適性の高い住環境を実現しています。

経済的メリット|トータルコストの合理性

土地活用において重要なのは、建築コストだけではありません。
・建築費
・維持管理費
・将来的な解体費
などを含めたトータルコストを考える必要があります。
木造アパートは建築費を抑えやすく、将来的な解体コストも比較的低いという特徴があります。
そのため、長期的な投資として考えた場合でも、合理的な選択肢となるケースが多いのです。

まとめ|木造軸組工法は意匠と構造を両立できる合理的な建築

ここまで解説してきたように、Jouerが木造軸組工法を採用している理由は、単なる建築コストの問題ではありません。
木造軸組工法には、
・空間設計の自由度が高い
・敷地条件に柔軟に対応できる
・構造計算によって安全性を担保できる
という特徴があります。さらに木造建築そのものにも
・建物が軽く地震に強い
・断熱性能が高い
・トータルコストが合理的
というメリットがあります。その結果、木造軸組工法は「意匠の最適化」と「構造の安全性」を高い次元で両立できる建築方式と言えるでしょう。
ハタスのアパート商品Jouer(ジュール)は、この合理的な構造をベースに「調律設計」という思想を組み合わせることで、敷地ごとに最適化されたアパート建築を実現しています。土地活用やアパート経営を検討しているオーナーにとって、建築構造の理解は資産価値を考えるうえでも重要なポイントです。
Jouerは、設計思想・構造合理性・賃貸住宅としての価値を総合的に考えた、新しいアパート商品のひとつと言えるでしょう。

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