土地を売るか貸すか?収益・税金・リスクで徹底比較|あなたに合う選択は
土地を売るか貸すか?収益・税金・リスクで徹底比較|あなたに合う選択は
所有している土地の活用方法として「売却」と「賃貸」が挙げられますが、どちらが最適かは一概には言えません。
売却は一度に大きな現金を得られる一方、賃貸は長期的な収入源となり得ます。
この記事では、収益性、税金、リスクなど多角的な視点から両者を徹底比較し、ご自身の状況に合った選択をするための判断材料を提供します。
放置はNG!使わない土地の活用を急ぐべき3つの理由
使っていない土地をそのままにしておくことには、金銭的負担やトラブル発生のリスクが伴います。
何も生み出さないどころか、マイナス資産になる可能性も否定できません。
なぜ早急な活用検討が必要なのか、具体的な理由を3つ解説します。
理由1:所有しているだけで固定資産税がかかり続ける
土地は所有しているだけで、毎年固定資産税や都市計画税が課税されます。
たとえ全く利用していない土地であっても納税義務は発生し、長期にわたって払い続けると大きな負担となります。
土地の活用は、この継続的な支出をなくしたり、収益で相殺したりするために不可欠です。
理由2:草刈りなどの維持管理に手間と費用が発生する
土地を放置して雑草が生い茂ると、景観の悪化や害虫の発生源になるため、定期的な草刈りや清掃が欠かせません。
自分で管理するにしても多大な労力がかかり、専門業者に依頼すれば数万円単位の費用が発生します。
これらの維持管理コストは、土地を所有し続ける限り継続的に必要です。
理由3:管理不足が原因で近隣トラブルに発展する恐れがある
管理が行き届いていない土地は、近隣住民とのトラブルを引き起こす原因になり得ます。
雑草の繁茂による日照問題、害虫や害獣の発生、不法投棄の誘発などが主な例です。
問題が深刻化すると損害賠償を請求されるケースもあり、土地の適切な管理は所有者の社会的な責任でもあります。

【売却編】土地を売る場合のメリットを解説
土地の売却は、資産を現金化し、管理の負担から解放される有効な手段です。
特に、すぐに資金が必要な場合や、土地の維持が難しい場合に大きなメリットがあります。
ここでは、売却がもたらす3つの主要な利点について具体的に見ていきます。
メリット:一度にまとまった現金が手元に入る
土地売却の最大のメリットは、一度の取引で多額の現金を得られる点です。
住宅ローンの返済、事業資金、老後の生活資金など、まとまったお金が必要な場合に即効性のある解決策となります。
賃貸のように長期にわたって収益を待つ必要がなく、資金計画を立てやすいのが特徴です。得た資金を別の投資に回すなど、資産の組み換えも可能になります。
メリット:将来起こりうる相続トラブルの種をなくせる
土地という不動産は現金と違って分割が難しく、相続時に兄弟間でのトラブルの原因になりがちです。
誰が土地を相続するのか、あるいは共有名義にするのかで意見が対立するケースは少なくありません。生前に土地を売却して現金化しておくことで、相続財産を均等に分割しやすくなり、将来の親族間トラブルを未然に防ぐことにつながります。
【売却編】土地を売る前に知っておきたいデメリット
土地の売却には多くのメリットがある一方で、資産そのものを手放すことによる機会損失や、税金の発生といったデメリットも存在します。
メリットだけに目を向けるのではなく、売却に伴う注意点を十分に理解した上で、慎重に判断することが重要です。
ここでは、売却前に知っておくべき3つのデメリットを解説します。
デメリット1:土地という大切な資産そのものを失う
土地を売却するということは、その土地から将来得られたであろう収益や、自分で利用する可能性を完全に手放すことを意味します。
一度売却してしまえば、同じ土地を買い戻すことは非常に困難です。
先祖代々受け継いできた大切な土地である場合、資産価値以上の思い入れがあるかもしれません。将来の活用計画や、資産としての価値を慎重に検討する必要があります。
デメリット2:売却で得た利益(譲渡所得)には税金がかかる
土地を売却して得た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得は「売却価格」から「取得費(土地の購入代金など)」と「譲渡費用(仲介手数料など)」を差し引いて計算します。特に、相続した土地で取得費が不明な場合や、購入時より大幅に値上がりしている場合は、税負担が大きくなる可能性があるため注意が必要です。
ただし、所有期間に応じた税率の違いや、特定の条件を満たすことで利用できる特別控除もあります。
デメリット3:立地や条件によっては希望価格で売れない可能性がある
すべての土地が希望通りの価格やタイミングで売れるわけではありません。
交通の便が悪い、土地の形状が特殊、法的な規制があるなど、立地や条件によっては買い手が見つかりにくく、価格を下げざるを得ない場合があります。
また、不動産市況の変動によっても売却価格は影響を受けます。売却を急ぐあまり、相場より大幅に安い価格で手放してしまうリスクも考慮しておくべきです。
【賃貸編】土地を貸す場合のメリットを3つの視点で解説
土地を売却せずに貸し出すという選択は、資産を手元に残しながら継続的な収入を得る方法です。
すぐに現金化する必要がなく、将来的に土地を利用する可能性がある場合に特に有効な活用法と言えます。
ここでは、土地を賃貸する際の3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1:長期的に安定した不労所得を得られる可能性がある
土地を貸すことで、毎月または毎年、安定した賃料収入を得られます。
借主が見つかれば、特別な労働をせずとも収入が継続的に入ってくるため、年金の補完や生活費の足しにすることが可能です。
アパート経営のように多額の初期投資を必要としない事業用の土地賃貸(事業用定期借地)や、駐車場経営など、土地の状態に合わせた様々な貸し出し方があります。
メリット2:土地を手放すことなく資産として持ち続けられる
賃貸であれば、土地の所有権は自分に残したまま活用できます。
将来、子どもが家を建てるために使いたい、あるいは周辺の再開発によって価値が上がるのを待ちたいといった場合でも、資産として保有し続けることが可能です。
売却してしまえばその土地は二度と手に入りませんが、賃貸なら契約期間が満了すれば土地は手元に戻ってきます。
メリット3:固定資産税や都市計画税の節税効果が期待できる
土地を更地のまま所有していると、固定資産税の軽減措置が適用されず、税負担が重くなります。
しかし、その土地にアパートやマンションなどの居住用建物を建てて貸し出すと、「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大で6分の1、都市計画税が最大で3分の1に軽減されます。土地活用によって税負担を軽減できる点は、大きなメリットの一つです。
【賃貸編】土地を貸す前に知っておきたいデメリット
土地の賃貸は安定収入や資産維持といったメリットがある一方、収益化のスピードや土地利用の制約など、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。
これらのリスクを把握しないまま安易に貸し出すと、後で「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があります。
ここでは、土地を貸す前に知っておきたい3つの注意点を解説します。
デメリット1:売却に比べて収益化までに時間がかかる
土地の賃貸は、売却のように一度で大きな現金が手に入るわけではありません。
借主を見つけるための募集期間が必要であり、契約が成立してからも賃料収入を毎月少しずつ得ていく形になります。まとまった資金をすぐに必要としている場合には不向きな方法です。
また、アパート経営など建物を建てる場合は、多額の初期投資とその回収に長期間を要します。
デメリット2:一度貸すと契約期間中は自由に利用・売却できない
土地を貸すと、契約期間中は所有者であってもその土地を自由に使えなくなります。
例えば、「急にお金が必要になったから売りたい」「子どもが家を建てることになったから返してほしい」と思っても、借主の権利が法律で保護されているため、契約期間の途中で一方的に解約することは原則としてできません。土地の利用計画は、将来の可能性を慎重に考慮した上で立てる必要があります。
デメリット3:借主が見つからない空室リスクや賃料滞納のリスクがある
土地を貸し出そうとしても、必ずしもすぐに借主が見つかるとは限りません。
立地や条件によっては長期間借り手がつかず、収入がないまま固定資産税や管理費だけがかかり続ける「空室リスク」があります。また、運良く借主が見つかっても、賃料を滞納されるリスクもゼロではありません。
賃料収入は常に安定しているとは限らないことを理解しておくべきです。

結局どっちが得?売却と賃貸の収益・税金
土地の売却と賃貸、どちらが最終的に手元に多くの現金を残せるのかは、最も気になる点です。
土地を売却した場合に課税される「譲渡所得税」の仕組み
土地を売却して得た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税からなる「譲渡所得税」が課されます。
譲渡所得は、売却価格から取得費(土地の購入費用など)と譲渡費用(仲介手数料など)を引いて計算します。
税率は土地の所有期間によって異なり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」(税率39.63%)、5年超なら「長期譲渡所得」(税率20.315%)となります。
土地を賃貸した場合に課税される「所得税」と「住民税」
土地の賃貸で得た収入(不動産所得)には、所得税と住民税が課税されます。
不動産所得は、年間の総賃料収入から固定資産税や減価償却費などの必要経費を差し引いて計算します。所得税は、この不動産所得と給与所得など他の所得を合算した総所得金額に応じて税率が変わる「累進課税」が適用され、税率は5%から45%の7段階に分かれています。
住民税の税率は原則として一律10%です。
あなたはどっち?土地の売却が向いている人の3つの特徴
土地の売却と賃貸、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、どちらが自分の状況に適しているのかを判断することが重要です。
ここでは、特に土地の「売却」を選択した方がよいと考えられる人の特徴を3つのポイントにまとめました。
特徴1:住宅ローンの返済など、まとまったお金がすぐに必要な人
子どもの教育費、住宅ローンの繰り上げ返済、新規事業の立ち上げ資金など、明確な目的のために短期間でまとまった現金が必要な場合は、売却が最適な選択肢です。
賃貸では収益化までに時間がかかり、毎月の収入も限られます。
売却であれば、一度の取引で数百万円から数千万円単位の現金を手にできるため、資金ニーズに迅速に対応できます。
特徴2:土地の管理を負担に感じており、早く手放したい人
所有する土地が遠方にある、あるいは高齢で草刈りなどの維持管理が体力的に難しいと感じている人にとって、管理の負担は大きなストレスです。
固定資産税の支払いや近隣への配慮など、精神的なプレッシャーから解放されたいと強く願うのであれば、売却して所有者としての責任をすべて手放すのが賢明です。
資産価値の維持よりも、負担からの解放を優先したい場合に適しています。
特徴3:将来的にその土地を自分で利用する予定が全くない人
将来にわたって、自分自身や子ども、孫などがその土地に住んだり、事業で使ったりする計画が全くないのであれば、資産として持ち続ける必要性は低いと言えます。
特に活用予定のない土地をただ所有し続けることは、固定資産税というコストを払い続けるだけの「負の資産」になりかねません。
他に活用したい資産がある場合、売却して得た資金をそちらに充当する方が合理的です。
あなたはどっち?土地の賃貸が向いている人の3つの特徴
売却とは対照的に、資産を手放さずに長期的な視点で活用したいと考える人もいます。
土地の「賃貸」は、そのようなニーズに応える有効な手段です。
ここでは、土地の賃貸が向いている人の特徴を3つのポイントに分けて解説します。
特徴1:資産を手放さず、長期的な収入源を確保したい人
すぐにまとまった現金は必要ないものの、公的年金にプラスアルファの収入が欲しい、あるいは給与所得以外に収入の柱を築きたいと考えている人には賃貸が向いています。
土地という資産を維持しながら、継続的に賃料収入を得られるため、安定したライフプランの構築に役立ちます。
先祖から受け継いだ土地など、思い入れがあり手放したくない場合にも最適な選択肢です。
特徴2:将来、子どもが家を建てるなど土地を使う可能性がある人
現時点では具体的な予定はないものの、「将来、子どもが独立して家を建てるかもしれない」「自分がリタイア後にUターンして住むかもしれない」といった可能性がある場合、売却してしまうとその選択肢を失います。
このようなケースでは、将来の利用時期まで駐車場経営や定期借地権で土地を貸し出し、収益を得ながら資産を維持する方法が適しています。
特徴3:相続税対策として土地の評価額を下げたいと考えている人
相続税は、所有する財産の評価額に基づいて計算されます。
更地のまま土地を所有していると評価額は高くなりますが、その土地にアパートなどを建てて他人に貸し出すことで、土地の評価額を下げることが可能です。
これにより、将来発生する相続税の負担を軽減する効果が期待できます。資産家で相続税対策を検討している人にとって、土地の賃貸活用は有効な手段の一つです。
土地を貸す前に必須の知識!「借地権」のリスクと対策法
土地を貸す際に最も注意すべき点が「借地権」です。
借地権とは、建物の所有を目的として土地を借りる権利のことで、借地借家法によって借主の権利が強く保護されています。安易に土地を貸すと、「自分の土地なのに自由にならない」という事態に陥る可能性があります。
ここでは、借地権の種類とリスク、そしてその対策法について解説します。
注意点:一度貸すと半永久的に返ってこない?「普通借地権」とは
「普通借地権」は、契約期間が満了しても、借主が希望すれば原則として契約が更新される借地権です。
地主(土地の所有者)側から更新を拒絶するには、地主自身がその土地を使用する必要があるといった「正当事由」がなければならず、この正当事由が認められるハードルは非常に高いのが実情です。
そのため、一度普通借地権で土地を貸すと、半永久的に土地が戻ってこない可能性があり、慎重な判断が求められます。
対策法:契約期間満了で確実に土地が戻ってくる「定期借地権」とは
普通借地権のリスクを回避するために設けられたのが「定期借地権」制度です。
定期借地権は、契約時に定めた期間が満了すると、契約の更新がなく確実に土地が更地で返還されるのが特徴です。代表的なものに、契約期間を50年以上とする「一般定期借地権」や、事業用の建物を建てるための「事業用定期借地権」(期間10年以上50年未満)などがあります。
将来、自分で土地を使いたい計画がある場合は、この定期借地権を活用するのが賢明です。
土地の売却・賃貸に関するよくある質問
土地の売却や賃貸を検討する際には、さまざまな疑問や不安が生じるものです。
ここでは、特に多く寄せられる3つの質問について、簡潔に回答します。
売却と賃貸、どちらが有利か相談できる専門家は?
不動産会社に相談するのが一般的です。
売買と賃貸の両方を扱っている会社であれば、中立的な立場で最適な活用法を提案してくれます。
また、税金に関する具体的な相談は税理士、相続が絡む場合は弁護士や司法書士といった専門家への相談も有効です。
地方や田舎にある土地でも売ったり貸したりできますか?
可能です。
ただし、都市部に比べて需要が低いため、希望価格での売却や賃貸が難しい場合もあります。
売却の場合は価格を相場より下げる、貸す場合は太陽光発電用地や資材置き場、家庭菜園など、住宅以外のニーズを探ることで活用できる可能性があります。
相続したばかりの土地ですが、まず何から始めればよいですか?
まず、土地の名義を自分に変更する「相続登記」を法務局で行う必要があります。
次に、土地の正確な境界を確定させるための「境界確定測量」を行うと、売却や賃貸がスムーズに進みます。並行して、複数の不動産会社に査定を依頼し、その土地の価値を把握することから始めましょう。
まとめ
土地を売るか貸すかの選択は、所有者のライフプラン、経済状況、土地への思い入れによって最適解が異なります。
売却は即時的な現金化と管理負担からの解放、賃貸は長期的な安定収入と資産維持が大きなメリットです。
それぞれのメリット・デメリット、税金の違い、そして賃貸における借地権のリスクを正しく理解することが重要です。本記事で解説した比較ポイントや判断基準を参考に、ご自身の状況を整理し、不動産会社などの専門家にも相談しながら、後悔のない選択をしてください。
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