CRE戦略とリスクマネジメントの関係性とは?リスク評価と分類
企業で不動産を所有している場合、それをうまく活用することで、より効率的な経営が可能となります。そこで当記事では、CRE戦略によるリスクマネジメントについて解説します。
1.CRE戦略とリスクマネジメントの関係性
2.リスクの種類
3.リスクマネジメントを意識する上で知っておきたい不動産リスクの種類
4.CRE戦略の目的にリスクマネジメントを入れる場合の例
5.まとめ
CRE戦略とリスクマネジメントの関係性
CRE戦略のCREは、「Corporate Real Estate」(企業不動産)、つまり企業が持っている不動産のことを指します。倉庫やオフィス、福利厚生施設や社宅などが該当します。CRE戦略とは、企業不動産を効果的に扱い、企業価値を高めるための経営戦略のことです。
CRE戦略は、企業のリスクマネジメントを意識する上で重要なポイントとなります。たとえば、CRE戦略を行うことで、本業以外の収益を作れるようになるため、本業が経営危機に陥っても立て直しやすくなるでしょう。
具体例として、本業の業績が伸び悩んだ際、企業不動産を売却して経営を回復させられる可能性があります。
リスクの種類
企業を脅かすリスクには、主に以下の2種類があります。
・ 純粋リスク
・ 投機的リスク
純粋リスク
純粋リスクとは、損失だけを与えるリスクのことです。具体的には、テロや交通事故、地震、火災などが挙げられます。
投機的リスク
投機的リスクとは、損失だけではなく、利益を与える可能性もあるリスクのことです。例としては、新商品の開発や為替変動などが挙げられます。
リスクマネジメントを意識する上で知っておきたい不動産リスクの種類
リスクマネジメントを意識するのであれば、以下の不動産リスクについても知っておく必要があります。
・ 物理的リスク
・ 法的リスク
・ 管理運営リスク
・ 市場リスク
物理的リスク
物理的リスクは、不動産に物理的な影響を与えるリスクのことです。物理的リスクは、災害リスクと環境リスクの2つに分けられます。災害リスクは、風害や水害、地震といった災害によって影響を受けるリスクを指します。環境リスクとは、土壌汚染や地下埋設物などによって、不動産が損傷するリスクのことです。
法的リスク
法的リスクとは、法令や規制への対応に関するリスクです。制度の変動などが起きた際、そこに対応するためにコストがかかるリスクのことを指します。
管理運営リスク
管理運営リスクとは、不動産を管理・運営する上でのリスクです。空室が出たり、入居者とトラブルになって損失を被ったりなどのリスクが該当します。
市場リスク
不動産価格が変動して損失が生まれるリスク、債務不履行になるリスク、借入金利が上がるリスク、売りたいときに売れないリスクのことを指します。不動産市場だけでなく、金融市場全体に影響を与えるリスクです。
CRE戦略の目的にリスクマネジメントを入れる場合の例
CRE戦略の目的にリスクマネジメントを入れる場合の例としては、主に以下の3つが挙げられます。
・ 将来的な資産性への期待
・ 企業ブランド向上への期待
・ 本業以外の事業性への期待
将来的な資産性への期待
不動産を持っておくことで、将来的に資産価値が高まり、経営を支える大きな柱となってくれる可能性があります。とくに都会の商業地は、開発できる土地に限界があります。こうした供給が少なくなりやすい場所に不動産を持っている場合、希少性が高い建物となるため、資産価値が向上しやすくなるでしょう。
企業ブランド向上への期待
都会の商業地は、ブランドとしての価値が高い場所です。商業地に不動産を持っていること自体が、企業のブランドイメージを高めるのに貢献してくれるでしょう。
本業以外の事業性への期待
不動産のうち使っていないスペースをテナントに貸し出すことで、本業以外の安定した継続収入を得られるようになります。
まとめ
CRE戦略とは、企業が持つ不動産を効果的に利用して企業価値を高めるための経営戦略です。CRE戦略を行うことで、企業ブランドが向上したり、本業以外の事業が確立されたりと、さまざまな効果が期待できます。
【参考URL】
https://www.livable.co.jp/solution/brand/contents/basic-cre-strategy.html
https://www.staffservice.co.jp/client/contents/management/column043.html
https://www.vortex-net.com/v-column/post-227/